概要
サービス妨害(DoS)攻撃という手法があります。細工を施したリクエストや大量のリクエストをサーバに送信することにより、サーバの動作を遅くしたり、場合によってはサーバーを停止させる攻撃のことです。DoS攻撃では情報の漏洩やデータの改ざんは通常起こりませんが、サーバ停止の状況によっては、ファイルの一部が破損する場合はあり得ます。DoS攻撃としてよく用いられる手法にはネットワークの問題を悪用したものが多いのですが、それ以外にミドルウェアやアプリケーションの不具合を悪用する方法もあります。その一例として、Apacheの不具合を悪用したApache Killer(CVE-2011-3192)やPHPやJava等の言語システムの不具合を悪用したhashdos(CVE-2011-4885等)があります。
攻撃のイメージと影響
以下はApache Killerの送信するHTTPリクエストです。一部を割愛しています。Rangeヘッダに攻撃の特徴があります。GET / HTTP/1.1
Host: example.jp
Range:
bytes=0-,5-0,5-1,5-2,5-3,5-4,5-5,5-6,5-7,5-8,5-9,5-10,5-11,5-12,5-13,5-14,5-15,5-16,5-17,5-18,5-19,5-20,5-21,5-22,5-23,5-24,5-25,5-26,5-27,5-28,5-29,5-30,5-31,5-32, 【中略】 5-1281,5-1282,5-1283,5-1284,5-1285,5-1286,5-1287,5-1288,5-1289,5-1290,5-1291,5-1292,5-1293,5-1294,5-1295,5-1296,5-1297,5-1298,5-1299POST /phpinfo.php HTTP/1.1
Host: example.jp
Content-Type: application/x-www-form-urlencoded
Content-Length: 1441792
EzEzEzEzEzEzEzEz=&EzEzEzEzEzEzEzFY=&EzEzEzEzEzEzEzG8=&EzEzEzEzEzEzEzH%17=&EzEzEzEzEzEzFYEz=&EzEzEzEzEzEzFYFY=&EzEzEzEzEzEzFYG8=&EzEzEzEzEzEzFYH%17=&EzEzEzEzEzEzG8Ez=&EzEzEzEzEzEzG8FY=&EzEzEzEzEzEzG8G8=&EzEzEzEzEzEzG8H%17=&EzEzEzEzEzEzH%17Ez=& 【後略】
脆弱性による影響
DoS攻撃による影響の例としては以下があります。
脆弱性の有無の確認方法
脆弱性診断サービスが利用できない場合は、ApacheやPHP等のバージョンが対策済みかを確認して下さい対策
対象ソフトウェアの対策バージョンへのバージョンアップあるいはパッチ適用を行います。Apache Killerおよびhashdosには、それぞれ緩和策があります。なんらかの理由でパッチ適用等ができない場合、緩和策を実施することで、攻撃を受けた場合の被害を軽減できます詳しくは参考文献を参照ください。
なお、デジサートの「クラウド型WAF」では、Apache Killerやhashdos等の脆弱性からウェブサイトが攻撃を受けるのを防ぐことができます。参考文献
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の注意喚起 https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20110831-apache.html https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20120106-web.htmlApache公式サイトのアドバイザリ(英語)
http://httpd.apache.org/security/CVE-2011-3192.txt修正の上再掲しました。