コンプライアンス 01-23-2025

DigiCert® TrustCore SDK を使用してコンプライアンス基準を遵守

Kevin Hilscher
TrustCore SDK Blog Hero

スマートホームデバイスから産業用センサー医療機器まで、現代のサイバー犯罪で攻撃対象となり得るデバイスは世の中に溢れています。堅牢なデバイスセキュリティの必要性は普遍的であり、コンプライアンスはこれらのテクノロジーを安全に保つうえで主要な役割を果たします。 

FIPS、輸出規制、EU サイバーレジリエンス法案(EUCRA)、英国の製品セキュリティおよび通信インフラ法(PSTI)、およびサイバーセキュリティに関するさまざまな国際規制などの基準の遵守は、データの保護、信頼の維持、グローバル市場へのアクセスに不可欠です。DigiCert TrustCore SDK は、これらの基準を効率的に満たすために必要なツールを提供し、開発者と組織がセキュアな準拠デバイスを開発できるようにします。

コネクテッドデバイスのコンプライアンスの課題

コネクテッドデバイスは複雑な規制環境で動作します。この環境において、コンプライアンス基準は法的義務であるだけでなく、市場へのアクセスを維持し、ユーザーデータを保護し、ブランドの評判を守るために不可欠です。固有のセキュリティ脅威への対処を目的として策定されたあらゆる規制の遵守を怠ると、企業は厳しい罰金、事業の中断、長期的な評判悪化を招く可能性があります。 

メーカーが対応を進めなければならない主要なコンプライアンス基準をいくつか挙げます。

  • FIPS: 米国連邦政府および業界での暗号化セキュリティの基準を定めたものです。
  • 輸出規制: テクノロジーとデータの越境流通を統制する規制。
  • 米国商務省標準化技術研究所(NIST)サイバーセキュリティフレームワーク(CSF): さまざまな分野で、特に重要なインフラストラクチャのサイバーセキュリティを向上させるための一連のガイドラインを定めたものです。
  • ISO/IEC 27001: 情報セキュリティを管理するための国際標準。
  • EU サイバーレジリエンス法案(EUCRA): EU 市場で販売される、デジタル要素を含む製品のサイバーセキュリティを確保します。
  • 英国 PSTI 法: 英国で販売されるコンシューマー向け IoT デバイスを保護するための要件を定めています。
  • 日本の IoT セキュリティガイドライン: 日本においてコネクテッドデバイスを保護するための基準を概説したものです。
  • 分野特有の基準: 医療、自動車、家電などの業界に対する追加要件。

コンプライアンスの維持は非常に大きな課題です。しかし、コンプライアンス違反は、罰金、法的影響、事業の後退、顧客の信頼喪失といった形で大打撃を招く可能性があります。

つまり、コンプライアンス違反を犯すという選択肢はありません。 

DigiCert TrustCore SDK がコンプライアンスをサポートするしくみ

DigiCert TrustCore SDK を使用すると、組織は高度なセキュリティ対策をデバイス開発に直接組み込むことで、コンプライアンスの多様な課題に事前に対処できるようになります。TrustCore SDK を活用することで、自社のデバイスが最高レベルのセキュリティ基準と規制基準を満たしているという確信が得られ、コンプライアンスの合理化、市場投入までの期間の短縮、イノベーションへの集中が可能となります。

その方法は以下のとおりです。

1. 暗号機能の統合の簡素化

  • データ、通信、ファームウェアを保護するために FIPS 140-2/3 認証の暗号機能を提供します。
  • 標準準拠のセキュリティをデバイスコードに直接組み込むことで開発時間を短縮します。

2. 規制基準の遵守

  • FIPS、輸出規制、EUCRA、英国 PSTI、業界特有のサイバーセキュリティ要件などの重要な基準を満たします
  • コンプライアンスを開発プロセスに組み込み、ペナルティのリスクを最小限に抑えます。

3. セキュアエレメントとの統合

  • TPM などのハードウェアセキュリティモジュールと連携して暗号鍵と機密データを保護します。
  • セキュリティをハードウェアレベルで強化し、デバイスが厳格なコンプライアンス基準を満たすよう支援します。

4. 通信プロトコルの保護

  • TLS などのセキュアな通信プロトコルを組み込み、データの完全性と機密性を確保します。
  • 多くのコンプライアンス基準の重要要素である転送中のデータを保護します。

5. 専門家によるサポートと継続的なアップデート

  • デジサートの専門家による、実装とメンテナンスのためのガイダンスにアクセスできます。
  • 変化するコンプライアンス要件に対して、大きな中断なく、デバイスを最新の状態に対応させることができます。

DigiCert TrustCore SDK のユースケース

DigiCert TrustCore SDK は実際にどのように利用されているでしょうか? 実社会での利用例をいくつかご紹介します。

  • 医療: TrustCore SDK は、医療機器メーカーが HIPAA および FDA に準拠し、データの安全な取り扱いと患者の安全を確保するのに役立ちます。
  • スマートホーム: スマートホームデバイスメーカーは、通信の保護、FIPS への準拠、エンドユーザーの信頼の維持が可能となります。
  • 自動車: セキュアな通信と自動車向けサイバーセキュリティ基準の遵守をサポートし、コネクテッドカーシステムを新たな脅威から守ります。

これらのユースケースは、組織がコンプライアンスの達成だけでなく、市場の要求を満たす安全で画期的な製品を構築するために DigiCert TrustCore SDK がいかに役立つかを明確に示しています。

DigiCert TrustCore SDK で将来にわたってコンプライアンスを確保

コンプライアンスの環境は常に変化しています。しかし、DigiCert TrustCore SDK は耐量子コンピュータ暗号(PQC)や MLDSA などの新しい暗号化標準を迅速に採用しているため、組織はこの SDK を使用して新しい規制に事前に対応できます。

  • 拡張性の高いセキュリティ: さまざまなデバイスタイプやデプロイ環境に適応できます。
  • 暗号化の俊敏性: 耐量子コンピュータ暗号への準備を含め、新しいセキュリティ標準を満たすための迅速なアップデートを可能にすることで、デバイスを将来にわたって使い続けられるようにします。

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