米国ユタ州、パリ、カナダオンタリオ州(2018年9月20日):個人認証と暗号化における拡張性の高いPKIソリューションの世界的なリーダーであるDigiCert Inc.、デジタルセキュリティの世界的なリーダーであるジェムアルト、耐量子セキュリティ・ソリューションの大手プロバイダーであるISARA Corp.の3社は本日、高度な耐量子デジタル証明書と、IoTで用いられるネット接続されたデバイス向けのセキュアな鍵管理ソリューションを開発することを目的とした、パートナーシップを発表しました。
DigiCertのエマージング・マーケット担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるDeepika Chauhan氏は次のように語っています。「DigiCert、ジェムアルト、そしてISARAは本日、量子コンピュータの利用に伴って予測される新たなセキュリティ上の脅威からコネクテッド・デバイスとそのネットワークを守るという、将来の問題を解決するために協力を開始しました。私たちの取り組みを通じて、自動車、産業用制御システム、医療機器、原子力発電所、その他の不可欠なインフラの頭脳として機能するコネクテッド・システムが、5年後、10年後、20年後においても、量子コンピュータによるセキュリティ上の脅威から安全であることを保証できるようにしたいと考えています。」
今回のパートナーシップにより、製品寿命の長いコネクテッド・デバイスを開発するメーカーは、将来の量子コンピューティング普及に備えるためのセキュリティ機能エンハンスに多額の投資をする必要がなくなります。DigiCertは既にパブリックトラストシステムおよび民間のPKIシステム向けに数十億件のデジタル証明書を発行し確実にホスティングしているため、企業はこれらのソリューションを、規模の大小によらずに導入しています。DigiCertの能力にISARAとジェムアルトが加わることで、提供される耐量子の証明書は、ホステッド、オンプレミス、ハイブリッドのすべてに対応可能になります。
DigiCertは、すでに多くの会社やコンソーシアムに対し、PKIを用いたコネクテッド・デバイスの認証、暗号化および統合サービスの提供を行っています。ISARAは、DigiCertによる証明書関連技術のイノベーション、強固な証明書管理能力、さらに業界で最も広く普及している信頼されたルート証明書(Trusted Roots)の運営を、自社事業に活用しています。ジェムアルトは、DigiCertのAPI と統合されクラウド上でIDを配布するインターネット・ゲートウェイを通じて、大規模で自動化されたコネクテッド・デバイス用の証明書発行を可能にするSafeNet Hardware Security Modulesを(HSM)介した安全な鍵の保管と管理を提供しています。3社のパートナーシップが実現する証明書は、量子コンピューティングがコネクテッド・デバイスのセキュリティを脅かすことになるよりも前に、耐量子暗号を用いて実用化されるでしょう。
ISARA のCEO兼共同創立者であるScott Totzke氏は次のように述べています。「量子コンピューティングの本格的な普及は今後8年から10年で到来し、それに伴って現在のすべての公開鍵の暗号が信頼できなくなるだろう、と専門家は予測しています。私たちは今、耐量子暗号を組み込むことで、セキュリティスタックの基本的要素であるルート証明書のセキュリティが確保されることを保証できるように取り組んでいます。これによって、IoTメーカーなどの大企業は、量子コンピューティング時代の脅威に前もって備え、機密情報と情報資産の安全を確保するために必要なソリューションとツールを手に入れることができるのです。」
ジェムアルトの暗号製品担当シニア・バイス・プレジデントであるTodd Mooreは次のように述べています。「ジェムアルトのSafeNet Hardware Security Modulesは、最も機密性の高いデータやアプリケーションのセキュリティを確保し、世界中で日々行われている数十億件のデジタル取引を保護する信頼の基点として機能します。今回のDigiCertとISARAとのパートナーシップによって、企業は来るべき量子コンピューティング時代に予想されるセキュリティ上の脅威から保護され、コネクテッド・カー、デバイス、産業機械、スマートシティおよびライフラインなどのインフラのために安全な世界を築く、セキュアで将来においても有効な暗号化オペレーションを構築できるでしょう。」
今日、多くのIoTデバイスは、通信の秘匿性、統合性、信頼性を保護するために、RSA暗号とECC暗号に依存しています。しかしながら、セキュリティ・コミュニティにおけるNISTをはじめとする団体は、今後10年以内に、大規模な量子コンピューティングがRSAとECCの公開鍵暗号を破るだろうと予測しています。これに対して、DigiCert、ジェムアルト、ISARAは、クリプト・アジリティ(暗号解読に敏速に対抗する能力)が今後10年間またはそれ以降に利用されるコネクテッド・デバイスのメーカーにとって最優先事項になると考えています。
信頼性の高い耐量子証明書の利用を進めるために、DigiCert、ジェムアルト、ISARAの3社は、同様に耐量子暗号の開発を推進しているインターネット・エンジニアリング・タスク・フォース(IETF)などの業界の標準化機関と協力しています。量子コンピューティングに対処するために払われる今日の努力は、将来にわたってコネクテッド・デバイスのメーカーとユーザーをサポートすることになるでしょう。
半自動運転や全自動運転の車両の生産が増加している自動車業界を例に取ると、自動車は20年以上もの長い寿命を持つ製品であるため、メーカーは、RSAアルゴリズムが破られて現在のデジタル証明書が無効になるような事態が訪れても、車両にインストールしたIoTデバイスのセキュリティを確保し、機能し続けることを保証する必要があります。
SAEハードウェア・セキュリティ小委員会の委員長であるBill Mazzara氏は次のように述べています。「自動車業界は、自動車のライフサイクル全体をカバーする長寿命で持続可能なセキュリティ管理方法に大いに注目しています。耐量子テクノロジーを含むクリプト・アジリティは、私たちが検討している主要な技術分野の一つです。」
ジェムアルトについてジェムアルト(ユーロネクスト NL0000400653 GTO)はデジタルセキュリティの世界的なリーダー企業であり、2017年の年間売上高は30億ユーロを記録し、世界の180ヶ国以上に顧客を有しています。ジェムアルトは、急速に発展し、密接につながったデジタル社会に信頼をもたらします。
セキュアなソフトウェアから、生体認証及びデータの暗号化までを実現する当社の技術とサービスにより、企業や行政機関は、本人認証とデータ保護が可能となり、個人用デバイス、コネクテッド・オブジェクト、クラウド、およびこうしたデバイス・環境間で安全性を保ち、サービスを提供します。
ジェムアルトのソリューションは、決済から企業セキュリティ、さらにモノのインターネットまで、現代生活の中心に据えられています。当社は人々、取引、オブジェクトの認証を行い、データを暗号化し、ソフトウェアに価値を生み出します。これにより、当社のお客様は何十億もの人々やモノにセキュアなデジタルサービスを提供することができます。
当社は世界47ヶ国に114の事業所、40の発行センターおよびデータセンター、35の研究所およびソフトウェア開発拠点を構え、1万5千人以上の従業員を擁しています。
さらに詳しい情報はhttp://www.gemalto.com/japanを参照いただくか、Twitterで@gemalto_asiaをフォローしてください。
ISARA CorporationについてISARAは、今日のコンピューティング・エコシステム向けの耐量子セキュリティ・ソリューションの開発を専門とするサイバーセキュリティ企業で、そのソリューションは既に提供開始可能な段階に達しています。豊富な学術的および研究的なエコシステムにおける商業的ソリューションのプロバイダーとして、ISARAは量子コンピューティングの脅威に対する認知向上と、世界規模で機能する耐量子ソリューションの開発・実装を行う共同努力の一翼を担っています。
詳しい情報については、www.isara.comを参照するか、Twitterで@ISARACorpをフォローしてください。
【DigiCert, Inc.について】
デジサートは、コネクティッド環境向けのスケーラブルなセキュリティソリューションのリーディングプロバイダです。
Global 2000を含む革新的企業の多くは、WebサービスとIoTデバイス向けのアイデンティティと暗号化に関する専門知識からデジサートを選択しています。
将来に関する記述:製品の今後の予定についての将来に関する記述は予備的なものであり、未来のリリース予定日はすべて暫定的で、変更の可能性があります。今後の製品のリリースや予定されている機能修正についてはデジサートが継続的な評価を行っており、実装されるかどうかは確定していません。デジサートが確言したと考えるべきではなく、購入決定の理由とすべきではありません。