DNS はインターネット上のあらゆる通信の最初のステップであり、顧客がアプリケーションやコンテンツ初めて表示するときの速度とレスポンスを左右します。DNS サービスが E コマース企業にとってきわめて重要な理由は明白です。2021 年には、DNS が 1 時間停止して、Amazon が推定 3400 万ドルの売上を失いました。また、頻繁にダウンタイムを発生している企業にのしかかるコストは、ダウンタイムが少ない企業の 16 倍にも及びます。
医療機関が信頼性の高い高速の DNS サービスを必要としている理由は、収益や顧客エンゲージメントだけではありません。医療従事者にとって、DNS のダウンタイムは患者の健康に、ひいては生命に影響を与える可能性があるのです。DNS 関連で数分間のダウンタイムが発生しただけでも起こりうる大惨事の例をいくつかあげますが、これはごく一部にすぎません。
医療機関は、E コマースの場合と同様、DNS に対する信頼をサービスアーキテクチャの基本コンポーネントに据える必要があります。しかし、信頼できるレベルの可用性を実現するには努力が必要です。サービスをオンラインに保ち、必要なパフォーマンスを提供するには、完全で堅牢なサーバーネットワークが必要です。このようなネットワークでは、DNS リクエストの急増を緩和し、DDoS 攻撃を撃退するために、受信トラフィックに対して十分な容量が必要になります。また、ロールベースのアクセスや高度な自動化によって、複数のドメインを管理することも必要になる場合があります。
専用のマネージド DNS サービスを選択すると、特に安全に、また費用対効果の高い形で DNS に対する信頼を得ることができます。では、ヘルスケア企業が自社のニーズに最適な DNS オプションを評価するときには、何を求めるべきなのでしょうか。今回は、優先的な点を 3 つ取り上げます。
マネージド DNS サービスの多くは、高い(99.99%)稼働時間を保証しています。中には 100% の稼働時間 SLA を保証し、それを満たせなかった場合に返金またはサービスクレジットを提供するサービスもあります。しかし、医療機関の場合にはダウンタイムに伴う健康や安全への潜在的な危険性を考えなければならず、返金保証のある 100% の SLA では十分とはいえません。DNS サービスにはしっかりした稼働実績が必要です。DNS に対する信頼を確保したければ、医療機関はマネージド DNS プロバイダーの稼働履歴を分析して、SLA を達成するためのインフラ、レジリエンス、専門知識を本当に提供できているかどうかを確認しなければなりません。
この分析では、ベンダーが 100% の稼働時間の確保につながる以下の機能を確実に提供する必要があります。
大規模な医療機関には、地域的なもの、全国的なもの、製薬会社のようにグローバルなものなど、さまざまなタイプの組織があります。一般的な製薬会社は、以下のような理由で何千ものドメインを使用しています。
ドメインと関連レコード、必要なトラフィックルートが蓄積されていき、複数の DNS プロバイダー間でサイロ化が発生して別々に管理されることがあまりにも頻繁になっています。しかし、さまざまなサービスを管理しようとすると、組織全体の IT チームに無理な負担を強いることになり、ドメインが見落とされたり、十分に保護されなかったりする可能性があります。マネージド DNS ソリューションでは、ドメイン管理を簡素化し一元化する単一のプラットフォームのもとに、あらゆるドメインを統合しなければなりません。このようなソリューションによって、IT 部門の負担が大幅に軽減されるだけでなく、デジタルリスク保護、コンプライアンス要件、パフォーマンスの高速化のためには構成をどう管理すべきかをめぐって、IT 部門が情報セキュリティ部門と連携できるようになります。さらに、1 つのベンダーと協力することで、IT チームのオーバーヘッドが合理化されます。
複数のドメインを一元管理するだけでなく、ヘルスケア企業は、ロールごとにドメインへのアクセスを制限し、このアクセスの実施をきめ細かく自動化できる必要があります。といっても、実際に両方を満たすのは容易ではありません。DigiCert DNS Trust Manager を購入する以前、あるヘルスケアの顧客は、ドメインアクセスを制限するには、複数のマネージド DNS サービスプロバイダーと個別に契約する方法しかないと気づきました。ところが、他社を合併し始めたときにこれが問題になりました。前のセクションで説明したように、サイロ化とセキュリティギャップの原因になっただけではなく、この回避策は会社の成長に合わせて拡張することができませんでした。
ヘルスケア企業が API 接続にロールベースのアクセスを設定できる単一の DNS プロバイダーを必要とするのはこのためです。それを実現する最善の方法は、ユーザーに自分の業務に関係するドメインにアクセスするクレデンシャルのみを付与する API キーを活用することです。たとえば開発者は、クラウドインスタンスを立ち上げるコードを実行し、独自の API を使用してレコードを変更することができます。他の人が不用意にレコードを変更してしまう心配はありません。同様に、開発者が業務を遂行するときに、E メールの記録が誤って変更されるのをマーケティングチームが心配する必要もありません。
自動化は、ロールベースのコントロールを実施することで、アクセスを制限することにもつながります。10,000 以上のドメインを持つ企業になると、レコードの変更や更新を手作業で行うことはとうていできず、ましてや従業員がアクセスすべきでないドメインにアクセスしていないかどうかを配慮することもできません。さらに、従業員がロールを変更したり退職したりした場合に、ドメインへのアクセス権を取り消す方法も必要です。API の使用を自動化してドメイン管理を合理化できるマネージド DNS サービスプロバイダーなら、セキュリティを強化し、迅速な拡張を実現できます。
デジサートは、製薬会社から病院チェーン、専門クリニックまで、ヘルスケア企業が継続的な可用性、高速で信頼性の高いパフォーマンス、統合されたドメイン管理を確保するという重要な目標を達成できるよう支援を続けてきました。DigiCert DNS Trust Manager は、12 年以上にわたって 100% の稼働時間を誇る唯一のマネージド DNS サービスであり、しかも以下のようなさまざまな課題を解決するうえで医療機関を支えてきました。
20 年以上にわたる業界の専門知識を持つ当社の DNS 製品スペシャリストチームが、その卓越した稼働時間を誇る DNS ソリューションを設計し、業界のベンチマークを確立しました。DNS に対する信頼を確保することで、医療機関は患者の健康を改善し保護するという本来の目的に集中することができます。これは、デジタルトラストが現実世界に応用されている良い例です。
DNS Trust Manager がどのように医療機関でこのような DNS 関連の目標を支援できるかを知っていただくには、またデモのスケジュールを設定するには、dnssales@digicert.com までメールでお問い合わせください。